2008 Fiscal Year Annual Research Report
高安定型ヒドロゲナーゼのシトクロムb複合体の調製と解析
Project/Area Number |
20580094
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
西原 宏史 Ibaraki University, 農学部, 准教授 (10260465)
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Keywords | ヒドロゲナーゼ / シトクロムb / 蛋白質精製 / 膜蛋白質 / 可溶化 / 水素酸化細菌 / Hydrogenovihrio marinus |
Research Abstract |
ヒドロゲナーゼは水素生産や燃料電池触媒としての利用が期待される酵素である。膜結合型ヒドロゲナーゼ(MBH)は2量体のヒドロゲナーゼ分子と膜蛋白質であるCyt bが複合体を形成しているが、3量体としての精製は困難である。本研究では、Hydrogenoyibrio marinus由来MBHのCyt b複合体としての調製法の確立を目指している。複合体の量的評価は、MBHによる水素酸化反応に依存してCyt bが還元型にされることを利用した。本菌の還元型Cyt bは561nmにα-吸収帯ピークがあるため、水素還元型と酸化型サンプルとの吸光度差(ΔAbs561=水素還元型Abs561-酸化型Abs561)を指標とした。複合体としての可溶化条件の検討では界面活性剤としてTriton X-100を使用し、膜蛋白質の可溶化を促進する効果が期待される塩類やsucrose、glycerolの添加を試みた。活性の可溶化率、ΔAbs561共に添加剤の種類による有意な差は見られなかったため、カラム精製への影響が少なく、蛋白質安定化効果のあるglycerolの利用が適当と考えられた。Triton X-100濃度は0.1-1%、 glycerol濃度は10-30%、可溶化温度は0-40℃が適当であった。可溶化を0.2 mM PMSF, 1 mM DTT, 10% glycerol,0.4% Triton X-100を含む50 mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)で0℃,2h行った後、カラム精製を試みたがCyt bに相当する蛋白質はSDS-PAGEで確認されなかった。また、Cyt cが混在する状態では561nmの吸収に加算されてしまうことから、より信頼性のあるMBH-Cyt b複合体の量的評価法と、それを指標とした可溶化条件の再検討が必要であると考えられた。
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