2010 Fiscal Year Annual Research Report
高安定型ヒドロゲナーゼのシトクロムb複合体の調製と解析
Project/Area Number |
20580094
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
西原 宏史 茨城大学, 農学部, 准教授 (10260465)
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Keywords | ヒドロゲナーゼ / シトクロムb / 蛋白質精製 / 膜蛋白質 / 可溶化 / 水素酸化細菌 / Hydrogenovibrio marinus |
Research Abstract |
ヒドロゲナーゼは水素生産や燃料電池触媒としての利用が期待される酵素である。膜結合型ヒドロゲナーゼ(MBH)は2量体のヒドロゲナーゼ分子と膜蛋白質であるCyt bが複合体を形成しているが、3量体としての精製は困難である。本研究では、耐熱性と耐酸素性に優れているHydrogenovibrio marinus由来MBHの本来の機能的な状態であるCyt b複合体としての調製法の確立を目指した。菌体を15-25%の硫酸アンモニウムを含むバッファーで洗浄することによりペリプラズムや細胞膜表面に多量に存在するCyt cを除去した後、細胞破砕して膜画分を調製し、昨年度に確立したMBH-Cyt b複合体の量的評価法(Cyt b量=水素還元型[∇A(561-575nm)]-アスコルビン酸還元型[∇A(561-575nm)])を指標としてCyt b複合体としての効率的な可溶化条件を検討した。その結果、10mMリン酸カリウムバッファー(pH7),0.1M硫酸アンモニウム,1mM DTT,1mM MgCl_2,0.2mM PMSF,10%glycerol,1%Triton X-100,0.5%6-amino-n-caproic acidを使用し、Arガス雰囲気下30℃で1hおよび氷冷下でさらに1h可溶化することにより、膜画分から約50%のCyt b複合体としての可溶化に成功した。ハイドロキシアパタイト,Sephadex G-25, Q-Sepharose High Perfbrmance, Superdex 200を使用したカラムクロマトグラフィーにより、分子量65kDa,37kDa,24kDaのサプユニットから成る3量体ヒドロゲナーゼを得ることができた。活性の回収率、Cyt b複合体の量的評価に基づく回収率ともに膜画分の23%程度と求められた。
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