2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規酵素群グリセロホスホジエステルホスホジエステラーゼを分子標的とする基盤研究
Project/Area Number |
20580098
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢中 規之 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (70346526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 範久 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (20144892)
和田 正信 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (80220961)
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Keywords | グリセロリン脂質 / 骨格筋 / 萎縮 / 遺伝子 / 腸管 |
Research Abstract |
ゲノムデータベースに対してglycerophosphodiester phosphodiesterase(GDE)遺伝子の検索を行った結果,新たに同定したGDE遺伝子について,その生理機能の解明,また病態形成における役割の解明を目標として研究を行った. 骨格筋において強い発現が認められるGDE5について筋細胞分化に関与することを明らかにした。さらに、マウス筋芽細胞株C2C12細胞を用いてRNAi法によりGDE5をノックダウンさせた際に筋分化が促進するメカニズムについて解析を行った。筋分化能を有さないマウス線維芽細胞株NIH3T3細胞に対しても同様にGDE5をノックダウンさせた際の遺伝子発現変動を網羅的に解析を行った結果、C2C12細胞の場合と同様に筋分化に関わるIGF2や浸透圧調節因子である尿素トランスポーターなどの発現誘導が認められた。GDE5はglycerophosphocholineを特異的に分解する酵素であるが、glycerophosphocholineは細胞内浸透圧物質として知られていることから、GDE5をノックダウンさせた際に浸透圧の変動が誘導され、筋細胞分化が促進された可能性が考えられた。 さらに、2回膜貫通型のGDEであるGDE1,およびGDE4遺伝子に着目した。マウス消化管におけるGDE1の発現が確認されたことから、消化管上皮細胞におけるGroPIns濃度を調節する酵素としてGDE1に着目し、消化管上皮細胞特異的GDE1過剰発現マウスの作製を継続した。現在,トランスジェニックマウスの樹立(3系統)まで至っている。一方、GDE4は肥満マウスdb/dbの白色脂肪組織において著しく発現誘導することが見出され、さらに単球・マクロファージ細胞において発現していることを明らかにした。同細胞の炎症反応における生理的な役割が示唆された。
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Research Products
(5 results)