2010 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造を基盤とした動物レクチン-糖鎖間相互作用の解明
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20580100
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畠山 智充 長崎大学, 工学部, 教授 (50228467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 英昭 長崎大学, 工学部, 助教 (10452872)
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Keywords | レクチン / 糖結合タンパク質 / カルシウム / 糖認識機構 / 部位特異的変異体 / 蛋白質工学 / X線結晶解析 / 分子認識 |
Research Abstract |
海産無脊椎動物グミ(Cucumaria echinata)のC型レクチンの一つであるCEL-IVは4つの糖認識ドメインから成り、その糖結合部位には通常マンノース認識に用いられるEPN (Glu-Pro-Asn)配列モチーフを有するが、実際にはガラクトースを認識することから、その糖認識メカニズムについて検討を行った。CEL-IVの結晶を作製し、高エネルギー加速器研究機構のPhoton FactoryにおいてX線回折測定を行ったところ,CEL-IV及びその糖(メリビオース,ラフィノーズ)複合体の回折データが得られた。すでに構造が決定されているCEL-Iの座標データを用いて分子置換法によりこれらの構造を解析したところ,最高で1.8Aの分解能で構造を決定することに成功した。 CEL-IVの4つのサブユニットは複数のジスルフィド結合で結ばれているが,その接触面は,通常のC型レクチンにないペプチド部分によって相互作用することによって四次構造が保たれていた。また,糖結合部位においては,他のC型レクチンと180。異なる配向で糖が結合しており,これによってEPN配列によってガラクトースを認識していることが明らかになった。一方,このEPN配列を,通常はガラクトース認識レクチンに多いQPD(Gln-Pro-Asp)配列に変換した部位特異的変異体遺伝子を作製し,大腸菌によって発現した。このQPD-CEL-IVの糖結合特異性を等温滴定カロリメーターを用いて検討したところ,この変異体はガラクトースに対する親和性が低下しており,それに代わって弱いながらマンノースに対する親和性を示すことが明らかになった。これらの結果から,CEL-IVにおいては,通常のC型レクチンと180。異なる配向で糖を認識しているために,EPNとQPD配列の影響が逆転していることが示唆された。
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[Journal Article] Mitogenic activity of CEL-I, an N-acetylgalactosamine (GalNAc)-specific C-type lectin, isolated from the marine invertebrate Cucumaria echinata (Holothuroidea)2010
Author(s)
Zedong Jiang, Daekyung Kim, Yasuhiro Yamasaki, Tomohiro Yamanishi, Tomomitsu Hatakeyama, Kenichi Yamaguchi, Tatsuya Oda
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Journal Title
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
Volume: 74(8)
Pages: 1613-1616
Peer Reviewed
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