2008 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド型蛋白質を用いた抗コンフォメーション病食品素材の分子モデリング
Project/Area Number |
20580124
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中村 宗一郎 Shinshu University, 農学部, 教授 (00105305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺嶋 正治 島根大学, 医学部, 准教授 (40227517)
藤井 博 信州大学, 農学部, 教授 (90165340)
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Keywords | アミロイド線維 / 酵素合成 / フェノール化合物 / 分子モデリング / 安全性 / シスタチン |
Research Abstract |
本研究では,まず,安全でより効果的な抗コンフォメーション病食品素材の開発に資するため,代表的なアミロイド形成型タンパク質である遺伝性アミロイドーシス型シスタチン,L68Qを用いて,ポリフェノールの抗アミロイド効果を調べ,構造との関係について考察した。すなわち,ポリフェノールをフラボノイド類,フェノールカルボン酸類,フェノールアミン類,カテキン類,リグナン類,の6系統に分類し,L68Q型シスタチンのアミロイド形成に及ぼす影響を調べた。アミロイド線維の形成度合はチオフラビンTを用いた蛍光法と電子顕微鏡観察によって追跡した。チオフラビンTを用いてアミロイド線維を測定した結果,ポリフェノールの系統によって阻害効果に差があることが明らかになった。また,アミロイド形成には,(1)アミロイドシード形成と(2)アミロイド線維の伸長の2つの段階があると推定された。(1)ではフェノールカルボン酸類とフェノールアミン類が,(2)ではフラボノイド類,カテキン類,及びリグナン類のポリフェノールが有効であることが示された。次に,フェノール化合物の分子サイズや疎水性が抗コンフォメーション病効果(抗アミロイド効果)に及ぼす影響を調べるために,フェノール酸の酵素的リポフィル化を試みた。その結果,フェルラ酸,カフェ酸及び桂皮酸をブタノール,オクタノール及びヘキサデカノールで修飾したリポフィル化フェノール酸の調製(収率1.7%〜10.3%)に成功した。これらの新規フェノール化合物は,いずれも未修飾のものより強い抗アミロイド効果を示すことが明らかになった。本年度に得られた知見は,平成21年度以降の分子モデリングに関する研究を遂行していく上で重要なステップになるものと確信される。
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Research Products
(4 results)