2008 Fiscal Year Annual Research Report
クロレラ由来低温誘導性抗酸化系酵素群の機能解析に基づく耐凍性植物の作出
Project/Area Number |
20580135
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本城 賢一 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 准教授 (00264101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 敬久 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70190816)
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Keywords | 耐凍性 / 植物 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本年度はNTRCおよびPrxのストレス防御機能について遺伝子およびタンパク質レベルでの解析を行った。具体的には下記の通りである。 (1)クロレラにおけるハードニング中のNTR活性変化およびNTRCタンパク質量の変化 大腸菌組換えCvNTRC蛋白質を抗原として作製した抗CvNTRC抗体を用いてWestern blottingを行った結果,CvNTRC蛋白質量は低温処理直後に一旦減少し,その後低温処理24時間まで増加に転じた。また,他のNTRアイソザイムを含むクロレラの総NTR活性は,低温処理中に蛋白質量と同様の変化を見せた。これらの結果から,CvNTRCは,耐凍性獲得時に機能するためにその転写量を増加させ、低温処理中の分解や変性により減少した蛋白質量ならびに活性を一定に保っていることが推察された。 (2)NTRCと連携するPrxタンパク質の同定 大腸菌組換えCvNTRCを固定化したカラムおよびクロレラ粗酵素液を用いて,in vitro pull-down assayにより相互作用蛋白質を検索した。その結果,約21.2kDaの蛋白質が単離され,そのN末端配列は,東京農業大学新村研究室で単離されたクロレラ2-CysPrx遺伝子(CvPrx)の推定アミノ酸配列の一部と完全に一致した。CvPrx発現大腸菌の分与を受け,大腸菌組換えCvNTRCとCvPrx蛋白質を用いてin vitroでの再構成系実験により過酸化物分解活性を測定した。その結果,両蛋白質存在下に特異的な活性が検出され,CvNTRCとCvPrxによる抗酸化システムが同定された。今後は,本抗酸化系遺伝子を酵母で同時発現させ,耐凍性獲得への関与ならびに機能を明らかにしていく。また,本抗酸化系を高等植物に導入し,他の耐凍性関連遺伝子と同時発現させることで,大幅な耐凍性増強を試みる。
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Research Products
(7 results)