2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト由来異物代謝酵素発現系を用いた食品成分代謝評価システムの構築
Project/Area Number |
20580138
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
生城 真一 富山県立大学, 工学部, 准教授 (50244679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊 利之 富山県立大学, 工学部, 教授 (70293909)
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Keywords | 食品 / バイオテクノロジー / 異物代謝 |
Research Abstract |
本研究では食品中の非栄養成分の機能性を評価する目的で、肝臓や小腸における複雑な異物代謝経路を試験管内で予測するために、ヒト由来異物代謝酵素群の酵母内同時発現系を構築し、さまざまな食品機能性成分の代謝反応の解析を可能にすることを目指す。 1)酵母発現によるヒト異物代謝酵素群の構築 前年度に引き続きヒト肝臓及び小腸で発現しているP450とUGTとの同時発現酵母株の構築をおこない、合計25種の同時発現株を取得した。抗体による発現確認、モデル基質による代謝活性測定による性能評価をおこなった。次に、硫酸基転移酵素(SULT1A1,1A3,1B1,1E1,2A1)についても遺伝子取得後、酵母における発現株を構築した。本菌体を用いることにより硫酸抱合体を直接産生することに成功した(特願2011-28515)。 2)ヒト異物代謝発現系を用いた食品成分の代謝スクリーニング 1)で得られた酵母発現系を用いたヒト異物代謝酵素を用いて食品成分中の機能性化合物の代謝解析をおこなった。UGTあるいはSULT単独発現系ではケルセチンやレスベラトロールを基質として菌体に添加した場合、培地中にグルクロン酸及び硫酸抱合体が分泌されてきた。また、分子種を選択することにより部位特異的な抱合体を調製することが可能であった。P450及びUGT同時発現系による3位水酸化フラボンの代謝においては3位抱合体のほかに水酸化体及びその抱合体も検出できた。 以上、これらの発現系を用いてさまざま機能性成分の代謝解析をおこなうことにより、In vitroでのヒトによる代謝予測を可能にして、食品中非栄養成分の機能性を評価する上で重要なファクターを提供すると考えている。
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Research Products
(18 results)