2008 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分の分子標的としてのアンドロゲン受容体シグナル伝達機構に関する研究
Project/Area Number |
20580141
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山地 亮一 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 准教授 (00244666)
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Keywords | アンドロゲン / アンドロゲン受容体 / β-catenin / HIF-lα / 前立腺癌 / 転写因子 |
Research Abstract |
男性ホルモンのアンドロゲンは転写因子であるアンドロゲン受容体(AR)と結合して、ARを活性化することによって、前立腺癌細胞の増殖と進行に関与する遺伝子の発現を調節する。コアクチベーターはARに結合してARの機能を数倍に高めることからARシグナル伝達系においてコアクチベーターの存在は重要な位置を占めている。さらに前立腺癌で特異的に、あるいは高いレベルで発現するコアクチベーターは前立腺癌の増殖に特異的に関わる主要な因子であると言え、それらコアクチベーターの同定とその機能解析が急務である。前立腺癌を含む多くの癌細胞は低酸素環境下で生育するため、前立腺癌細胞において低酸素がARの転写活性に及ぼす影響を検討したところ、低酸素はARの転写活性を促進することを見いだした。低酸素応答遺伝子の発現を調節する主要な転写因子であるHIF-1はαサブユニット(HIF-1α)とβ-サブユニット(HIF-1β)から構成されている。HIF-1αはHIF-1発現の律速因子であるので、HIF-1αをノックダウンした前立腺癌細胞を低酸素下で培養したところ、低酸素によるAR転写活性の促進効果が抑制された。一方、前立腺癌細胞でHIF-1αを単独で高発現させてもARの転写活性に影響がなかったが、HIF-1αと相互作用し、前立腺癌で発現の亢進する既知のARコアクチベーターと共存下で発現させたところ、β-cateninによるARの転写活性化を相乗的に促進させた。β-cateninのARコアクチベーターとして機能へのHIF-1αの作用効果がHIF-1α単独によるのか、HIF-1βとのヘテロダイマー形成が重要なのかを検討したところ、HIF-1αとβ-cateninとによるARの転写活性促進効果にHIF-1βは必ずしも必要でないことが判明した。
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Research Products
(7 results)