2009 Fiscal Year Annual Research Report
アスコルビン酸の副腎皮質層特異的ステロイドホルモン産生系への関与とその分子機構
Project/Area Number |
20580142
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三谷 芙美子 Keio University, 医学部, 講師 (60041852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 邦晃 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80229913)
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Keywords | ステロイドホルモン / 生理活性物質 / 副腎皮質 / ビタミンC / P-450 |
Research Abstract |
ヒトを初めとする霊長類は、ビタミンCであるアスコルビン酸(Asc)を体内で合成できない。よって、Ascを食物や薬剤などから摂取せねばならないが、副腎は体内でAsc濃度が最も高い臓器として知られる(約20mM)。壊血病の病因に端を発し骨形成・カテコールアミン生成への関与や抗酸化剤としてのAscの作用はよく知られているが、最大濃度を示すこの副腎に固有のAsc作用については副腎の髄質におけるカテコールアミン(ノルアドレナリンなど)生成系での電子供与体としての作用のみである。皮質は球状層、束状層、網状層の三層からなり、各々鉱質コルチコイド、糖質コルチコイド及び副腎性アンドロゲンを特異的に産生する。本研究は、ステロイドホルモンを産生する副腎皮質に固有なAscの作用を、副腎皮質の層別機能との関連という新しい視点から分子レベルで解明することを目的としている。 前年度は主に生化学的手法によりAscの副腎皮質におけるステロイド合成への関与を詳細に検討した。特に球状層のアルドステロン合成に関与することを示唆する結果を得た。今年度は球状層特異的に発現するP450aldo、束状層特異的に発現するP45011βを大腸菌に大量に発現させる目的で発現ベクターの構築を試みた。前年度、pTrcHis2AにP450遺伝子を組み入れることに成功したが、ヘムタンパク質としての性質を有するP450の発現には至らなかった。発現ベクターをpET22b(+)に変え、インサートとして組み入れるP450遺伝子の断片を検討した結果、発現ベクターの構築に成功した。現在大量発現を試みている。ヒト副腎におけるArc系の関与も検討する目的で、ヒト副腎の層別機能を免疫組織学的に詳細に検討した。ヒト副腎では恒常的にP450aldoを発現しているcell clusterが存在するにとを新しく見いだした(J Clin Endocrinol Metab, in press)。ヒトP450aldoの大腸菌での大量発現にも着手した。
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Research Products
(3 results)