2009 Fiscal Year Annual Research Report
株化ヒトリンパ球が分泌する抗ピーナツ抗体によるアレルゲン解析
Project/Area Number |
20580143
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
新本 洋士 Tamagawa University, 農学部, 教授 (50355301)
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Keywords | ピーナツ / アレルギー / リンパ球 / エピトープ解析 / ペプチド合成 / 形質転換 / 抗体 |
Research Abstract |
[目的]ピーナツアレルギー患者は食物アレルギー患者の約3%を占めるとされ,ピーナツ消費の拡大とともに患者数が増加していると考えられている。本研究ではピーナツアレルゲンに対するヒトモノクローナル抗体を作製し,ピーナツの主要アレルゲンタンパク質であるArah1の一次構造上の抗体結合部位を明らかにすることを目的とした. [結果および考察]ヒト末梢血リンパ球をEpstein-Barrウィルスで形質転換し,Arah1に対するオリゴクローンの抗体分泌細胞を得た。この細胞をマウスミエローマと細胞融合してクローニングし,ピーナツアレルゲンArah1に対するIgM抗体分泌ハイブリドーマクローン92-2を得た。Arah1のアミノ酸配列からN末端から10アミノ酸ずつシフトさせた20アミノ酸からなるペプチド63種類を合成し,モノクローナル抗体の結合部位を検討した結果,ペプチド番号16番のGREGEQEWGTPGSHVREETS配列に抗体が結合することが判明した。さらにこの20ペプチドの配列から10アミノ酸あるいは8アミノ酸ペプチドを合成し,モノクローナル抗体の結合性検討した結果,8アミノ酸からなるQEWGTPGS配列がコアとなるエピトープ配列であることが判明した.本年度得られた抗体結合配列はこれまでピーナツアレルギー患者の血清IgEによって明らかにされた配列とは異なっていた.アラニン置換ペプチドとの反応性から,エピトープ中のQ, E, Wの三つのアミノ酸が抗体との結合に特に重要な働きをしていると推察された.
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Research Products
(2 results)