2010 Fiscal Year Annual Research Report
株化ヒトリンパ球が分泌する抗ピーナツ抗体によるアレルゲン解析
Project/Area Number |
20580143
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
新本 洋士 玉川大学, 農学部, 教授 (50355301)
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Keywords | ピーナツ / 食物アレルギー / エピトープ / モノクローナル抗体 / アミノ酸配列 / ペプチド合成 / 抗原提示細胞 / IgM |
Research Abstract |
日本におけるピーナツの消費量の増加に伴ってピーナツアレルギー患者が増加している.しかし日本国内でビーナツアレルギーに関する研究はほとんど行われていない.本研究では申請者らが開発した独創的なヒトモノクローナル抗体作製手法をピーナツアレルゲン解析に応用し,ピーナツアレルギー発症機構を解明した. 1. 抗ピーナツアレルゲン抗体分泌マウス-ヒトハイブリドーマの作製:形質転換ヒト末梢血リンパ球のうちArah1に対する抗体分泌細胞を新たに選抜し,マウス骨髄腫細胞株SP2/O3と細胞融合を行った.これをクローニングし抗体分泌の安定な新ハイブリドーマクローン#86を得た. 2. クローン#86が分泌する抗体によるAra h1の詳しいエピトープ解析:Ara h1のアミノ酸配列をもとに合成した20アミノ酸ペプチドに対する結合試験によって,クローン#86が分泌するヒトモノクローナル抗体は,481 EEEEDEDEEEEGSNREVRRY500の配列に結合することが明らかになった.より短いアミノ酸配列を合成してさらに検討したところ,485DEDEEEE491が最小配列として抗体に認識されていることが判明した.加えて,485DED487のいずれかのアミノ酸をアラニンに置換すると抗体の反応性が著しく低下したことから,この3つのアミノ酸からなる配列部分に抗体が結合する重要な構造が存在することが考えられた. 3. 22年度に新たに明らかになったエピトープ配列は,21年度に用いたクローン92-2モノクローナル抗体が認識する配列とはまったく別の配列であった.これらのエピトープに係るアミノ酸配列は,患者がピーナツアレルゲンに感作される時に,抗原提示細胞としてのB細胞表面上で重要な役割を果たす配列であると考えられ,本研究結果はピーナツアレルギーのペプチド治療に役立つ知見を与えるものである.
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Research Products
(1 results)