2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580144
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
大熊 廣一 東洋大学, 生命科学部, 教授 (30297733)
|
Keywords | 抗酸化活性 / 抗酸化能 / 活性酸素 / スクリーン印刷電極 |
Research Abstract |
本研究は、電気化学手法を使って現場レベルで抗酸化活性測定を可能にする分析手法の開発である。電極を500μmの距離で対向させ、一方の電極では、負の電圧を印加し活性酸素(O_2^-)を発生させる。このO_2^-は不均化反応によって過酸化水素(H_2O_2)を生成する。この生成するH_2O_2量は、O_2^-量に比例する。ここに抗酸化性物質が存在するとO_2^-が消去され、H_2O_2が減少する。この減少量を微小距離に対向させた、もう一方の電極で検出して抗酸化活性を推定する。これまでの研究からカテキン類が、H_2O_2検出用電極に吸着し、繰り返しの測定において感度が僅かに低下するという現象が明らかとなっている。そこで、電極表面上の吸着を防止する目的でナフィオン等の高分子を電極上に固定化し、その効果を検討した。この結果、ナフィオン被服電極では、均一な皮膜形成が難しく再現性の低下あるいは応答感度の低下が認められた。 一方、電極に白金、金電極を用いる場合には、電極表面のアルミナ研磨が有効であった。電極にスクリーン印刷電極を使用する場合には、使い捨てとなるため、繰り返し測定による吸着は考慮する必要がない。また、本年度は本課題の最終年度となるため多くの試料を用いて、DPPH法との相関を明らかにした。使用した試料は紫蘇、生姜、ナス等9点の野菜試料を用いた。DPPH法の試料抽出がエタノールであるのに対し、本方法は水抽出であるため、抗酸化性物質が水溶性である場合にはDPPH法と良好な相関を示した。
|