2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドローム予防の標的鍵分子、AMPキナーゼを制御する食品因子の研究
Project/Area Number |
20580146
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
津田 孝範 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (90281568)
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Keywords | 食品因子 / 糖尿病 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
糖尿病等の増加、国民医療費の増加は大きな社会問題となっている。近年の研究から、AMPキナーゼ(AMPK)は肥満・2型糖尿病の予防、治療のための最も理想的な標的鍵分子であることが明らかにされている。本研究では、理想的な分子標的、AMPKの活性化作用に関わる食品因子の検討と作用機構解明を行い、AMPKを介したメタボリックシンドローム予防を実現するための科学的基盤の確立を目的とした。 本年度は昨年度の結果を踏まえて、これまでに絞り込んだAMPK活性化食品因子の動物個体での検討を進めた。絞り込んだ食品因子は2型糖尿病モデルマウスにおいて、血糖値上昇を有意に抑制した。このとき、血清アディポネクチン濃度や白色脂肪組織での遺伝子発現レベルには有意な差が認められなかった。そこで細胞レベルでの結果に基づきAMPKの点から検討した。その結果、各組織において、肝臓でのAMPK活性化と糖新生の抑制が認められた。骨格筋においても同様にAMPKの活性化作用と糖輸送体4の上昇が認められた。 以上の結果からこれまでの細胞での成果を反映して動物個体においてもAMPK活性化作用とこれに伴う糖尿病モデルでの作用、メカニズムを確認するにいたった。
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