2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580148
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Research Institution | Toyama Institute of Health |
Principal Investigator |
小玉 修嗣 Toyama Institute of Health, 化学部, 主幹研究員 (70360807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
健名 智子 富山県衛生研究所, 化学部, 副主幹研究員 (60416089)
山本 敦 中部大学, 応用生物学部, 教授 (60360806)
會澤 宣一 富山大学, 理工学研究部, 教授 (60231099)
多賀 淳 近畿大学, 薬学部, 講師 (20247951)
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Keywords | キャピラリー電気泳動 / 光学分割 / 単糖 / L-糖 / 配位子交換 |
Research Abstract |
目的:自然界における糖類はD-グルコースを代表とする、いわゆるD-糖から構成されているが、L-糖を含む希少糖は存在するのだろうか?本研究課題では、植物や食品を分析対象として、L-糖を含む希少糖が存在するか否かを明らかにすることにある。平成21年度は(1)メープルシロップとメープルシュガーを用いた前処理方法の検討、及び(2)分析法として用いるキラル配位子交換キャピラリー電気泳動法の分離メカニズムの検討を行った。 結果:(1)メープルシロップ及びメープルシュガーを試料とし、昨年度検討した前処理方法により妨害物質の影響を受けずに単糖類を分析できることがわかった。さらに、メープルシロップをさらに加熱した製品であるメープルシュガー中ではマンノース含量が増加することをみいだし(現在論文投稿中)、光学異性体分析法への適用を検討中である。さらに、グルコースを加熱したときの異性化などについても検討中である。植物や食品を試料とした場合には、さらなる前処理が必要となる可能性がある。このため、二足型固定相を用いた前処理用カートリッジの開発を行った。(2)本研究では分析手段として配位子交換キャピラリー電気泳動法を用いるが、そのメカニズムについては明らかにされていない。配位子にD-キナ酸を、中心イオンにCu(II)イオンを用い、酒石酸の光学分割能を検討したところ、配位子濃度に依存して酒石酸光学異性体の泳動順が逆転する現象を発見した。この現象の解明により、配位子交換キャピラリー電気泳動法のメカニズムを明らかにできると考え、現在、検討中である。 今後の検討:(1)植物や食品試料についても単糖類の光学異性体分析を行う。(2)キラル配位子交換法の分離メカニズムの検討を継続する。
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