2009 Fiscal Year Annual Research Report
運輸多目的衛星を用いた森林境界測量:測位精度の向上と実務作業の効率化
Project/Area Number |
20580155
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
吉村 哲彦 Shimane University, 生物資源科学部, 教授 (40252499)
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Keywords | 森林工学 / GPS / 運輸多目的衛星 / アンテナポール |
Research Abstract |
森林所有者の高齢化や不在村地主化の進行により、森林の所有界を確定する作業は今後いっそう困難になると考えられ、境界線の確定していない民有林の地籍調査が急務となっている。そこで、本年度はGPSによる森林の境界線測量を支援して、森林における地籍調査の作業を加速させることを目的として、京都大学上賀茂試験地においてGPSアンテナポール(カーボンおよびチタン製)を用いた測位実験を実施した。GPSアンテナポール(チタン製)には強度が若干弱いという問題があったので、このGPSアンテナポールの接合部に補強を施した。カーボンおよびチタン製のGPSアンテナポールを用いて、事前に設定した観測ポイントおいてGPSアンテナの高さを変えて繰り返し長時間のデータ収集を行った。この際、前年度のフィールド実験において風の強い日でもGPSアンテナポールを完全に垂直に立てることの必要性が認識されていたので、ガイライン(控え索)をつないでGPSアンテナポールを安定させた。GPSアンテナの高さごとに、魚眼レンズを用いて決定した樹冠の開空度、捕捉衛星数、信号対雑音比(Signal to Noise Ratio)、MTSAT(運輸多目的衛星)の受信確率、精密度および正確度の観点から計算した測位精度(単独測位、ディファレンシャル補正、H-Star補正、MSAS補正)といったデータを収集して、これらの要因が測位誤差に与える影響を重回帰分析によって明らかにした。
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