2010 Fiscal Year Annual Research Report
天然から得た石油分解能を持つ新規な木材腐朽菌を用いた石油汚染土壌浄化法の研究開発
Project/Area Number |
20580178
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
橘 燦郎 愛媛大学, 農学部, 教授 (10112319)
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Keywords | 石油汚染浄化 / 浄化技術 / 木材腐朽菌 / 多環芳香族化合物 / 微生物製剤 / 分解酵素 / 担体 |
Research Abstract |
天然から選抜した石油分解菌(選抜菌)を用いて、以下の結果を得た。 1.選抜菌を用いた原油(C重油)汚染土壌(濃度15,000ppm)の浄化条件を検討した。その結果、栄養源無添加では殆ど分解しなかったが、栄養源(グルコース、ポリペプトン)添加で各々56%,52%分解した(60日処理)。また、空気導入と栄養源添加の併用処理では73%分解(60日処理)した。また、一種の油吸収体を分解菌添加時に添加すると分解率が向上し、93%分解(60日処理)できることも見出した。 2.選抜菌から調製した酵素製剤を用いたPAH(クリセン)汚染土壌(濃度10ppm)の浄化について検討した。酵素製剤のみの処理ではPAHの分解率は、21,27%(7日、15日処理)であった。酵素賦活作用を示すマンガンイオンを酵素製剤処理時に土壌に添加するとPAH分解率は、それぞれ31%,39%(7日、15日処理)へと向上することを見出した。 3.高塩濃度でも成育できる選抜菌を用いたPAHの分解、PAH汚染土壌の浄化について検討した。天然から高塩濃度でも成育できる菌を選抜した。この菌を用いて海水中でもPAH(クリセン)が分解できることを見出した。そして、栄養源(ポリペプトン)及び界面活性剤(Tween80)添加により分解率は向上し、各々63%、70%分解(30日処理)できることを見出した。また、PAH(クリセン)汚染土壌(濃度10ppm)の浄化についても検討した。浄化条件を検討した結果、栄養源添加(グルコース、ポロペプトン)添加により、各々53%、64%分解(30日処理)できることを見出した。 4.重油汚染土壌の浄化率を向上させるため、難分解性物質、コールタールを分解する菌の選抜を検討した。天然から1種のコールタール分解菌を単離した。この菌を用いた原油汚染土壌の浄化について検討中である。
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Research Products
(4 results)