2008 Fiscal Year Annual Research Report
インクジェット法を応用した接着剤の機能性塗布技術の開発
Project/Area Number |
20580179
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
山内 秀文 Akita Prefectural University, 木材高度加工研究所, 准教授 (90279513)
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Keywords | 微量塗布 / インクジェット法 / フェノール樹脂接着剤 / せん断接着性能 / 単板 |
Research Abstract |
20年度は、今後の実験を進める上で必要となる接着剤調整・塗布量定量方法および標準接着条件の検討を行うとともに、微量塗布に撚り接着可能な接着剤塗布量の下限値を明らかにするための実験を行った。主な研究結果を以下に示す。 ・準備した接着剤塗布装置は、粘度と表面張力の影響から、市販の水溶性フェノール・ホルムアルデヒド接着剤(以下PF)の原液および水希釈物を安定した塗布できなかった。接着剤を安定的に塗布する方法として、接着剤の液性と接着性能に大きな影響を及ぼさない希釈溶液として水酸化物(NaOH又はKOH)の水溶液を用い、2-3倍に希釈する技術を開発し、安定的した塗布が得られるようになった。 ・あらかじめ全乾重量を測定した厚紙と風袋を用い、同じ条件でPFを数回塗布後に全乾重量を測定することにより、ごく微量の接着剤塗布量を定量できるようになった ・既往の研究で十分な接着力が期待できると考えられた塗布量13g/m^2(固形分量)・接着面全面塗布のPF塗布条件で、表面をプレーナーで2.4mmに仕上げしたカバ・ソード単板を用いた試験片製造条件を検討した結果、圧力1.5M Pa、温度140℃、時間10minの圧締条件と、片面塗布ではこの塗布量で十分な接着が得られないことを見出した。 ・上述のPF接着剤・カバ単板・圧締条件を用い、十分な接着性能が得られる接着剤塗布量の下限値を求める実験を行った。固形分量で4.3g/m^2というごく少量の塗布量で、ローラーによる80g/m^2の塗布量と同等の常態接着強度 ・木破率が得られ、72時間の連続煮沸試験後も接着強度を維持する耐水性も得られた。一方で、この量は装置の接着面全面塗り条件の下限値であり、接着剤量の塗布限界がさらに小さい可能性が残ることから、さらに低塗布量での実験に向けて塗布方法を再検討する必要が生じた。
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