2008 Fiscal Year Annual Research Report
相乗効果発現薬剤による木材の発熱性、ガス有害性の抑制
Project/Area Number |
20580185
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Research Institution | Hokkaido Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
菊地 伸一 Hokkaido Forest Products Research Institute, 利用部, 利用部長 (10446297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原崎 政行 北海道立林産試験場, 性能部, 研究職員 (00446296)
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Keywords | 発熱性 / ガス有害性 / 相乗効果 / 難燃剤 / 一酸化炭素 / 防火材料 / コーンカロリー計 |
Research Abstract |
本研究は、1)木材の熱分解に対する作用が異なる薬剤の混合による相乗効果の発現条件、および2)燃焼ガスの有害性を左右する一酸化炭素の生成に及ぼす燃焼条件の影響、について明らかにすることを目的としている。 平成20年度は、次の2点について検討した。 1.発熱抑制効果の評価 リン系、ホウ素系薬剤単独、または混合薬剤で処理した木材をISO5660のコーンカロリー計で加熱し、各薬剤の発熱抑制効果および燃焼ガス中の一酸化炭素濃度を評価した。難燃薬剤にはリン酸水素二アンモニウム(DAP)、ポリリン酸カルバメート、リン酸一グアニジン、八ホウ酸ナトリウム(SOB)およびそれらを9:1〜5:5の割合で混合したものを用いた。その結果、発熱量の抑制効果はDAP>SOB、燃焼ガス中の一酸化炭素濃度はDAP<SOBであった。また、DAPとSOBの混合によって発熱量、一酸化炭素濃度とも単一薬剤より低減可能で、相乗効果の発現が示唆された。 2.燃焼ガスの有害性の評価 燃焼ガスの有害性は、燃焼ガスに暴露したマウスの行動停止時間によって評価した。その結果、難燃剤の種類・配合条件によらず、薬剤処理によってマウスの行動停止時間(生存時間)は長くなった。しかし、燃焼ガス中の一酸化炭素濃度と行動停止時間との関係は明確にならなかった。
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