2010 Fiscal Year Annual Research Report
相乗効果発現薬剤による木材の発熱性、ガス有害性の抑制
Project/Area Number |
20580185
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Research Institution | Hokkaido Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
菊地 伸一 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部林産試験場・利用部, 利用部長 (10446297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原崎 政行 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部林産試験場・性能部, 研究主任 (00446296)
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Keywords | 発熱性 / ガス有害性 / 相乗効果 / 難燃剤 / 一酸化炭素 / 炭化 |
Research Abstract |
木材の燃焼時における発熱性およびガス有害性の低減に相乗効果を発揮する混合薬剤の開発を目的として,平成22年度は薬剤処理の炭化への影響、一酸化炭素生成に及ぼす燃焼条件の影響および燃焼抑制に適した薬剤の混合条件を検討した。 1)炭化への影響 リン酸水素二アンモニウムまたは八ホウ酸ナトリウムで処理したスギの心材をISO834の標準加熱温度曲線に沿って30分間加熱し,未炭化部の残存厚さから炭化深さを,炭化層の質量から全乾比重を求めた。その結果、八ホウ酸ナトリウム処理材では無処理木材より炭化深さが大きくなった。一方,リン酸水素二アンモニウム処理材では,薬剤量で挙動が異なり,100kg/m^3以上で無処木材よりも炭化深さは小さくなった。炭化深さに対する薬剤処理の影響は、薬剤の種類や薬剤量、さらに加熱方法によって異なり,薬剤量が少ない場合には無処理木材よりも早くなることがあるなど,一定の傾向は示さなかった。 2)一酸化炭素生成に及ぼす燃焼条件の影響 供給空気条件が異なる発熱性試験装置および模型箱試験装置で薬剤処理木材を加熱し,燃焼条件が一酸化炭素濃度に及ぼす影響を評価した。その結果,燃焼条件によらず薬剤処理の有無,薬剤の種類が一酸化炭素濃度に強く影響することがわかった。 3)燃焼抑制に適した薬剤の混合条件 発熱性試験、ガス有害性試験および炭化試験の結果から、リン系薬剤とホウ素系薬剤の9:1、8:2の混合薬剤が木材の燃焼抑制に適していると考えられた。
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