2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580189
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高津 哲也 Hokkaido University, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (50241378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯田 豊 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (10193393)
小林 直人 北海道大学, 水産学部, 助教 (00250506)
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Keywords | アカガレイ / 卵 / 仔魚 / 鉛直分布 / 食性 / 卓越年級群 / 照度 / 水温 |
Research Abstract |
産業上重要なアカガレイの卓越年級群発生機構の解明と,その発生予測技術を開発するために,北海道噴火湾において,北海道大学水産学部附属練習船うしお丸を用いて,アカガレイ卵・仔魚採集と海洋環境調査を実施した。MTDネット水平各層曳きによって採集された卵の密度は,表層または水深15m層で高く,30mあるいは45m層では低かった。一方仔魚は,23回の採集のうち17回で15m層で最高の密度を示し,加重平均分布水深は15-31mの範囲を示し,卵よりも深かった。仔魚の消化管内容物組成は,採集層間で良く類似し,いずれの層でもかいあし類ノープリウスを多く捕食し(個体数組成で42-100%),特にOithona similisノープリウスの割合が高かった。ノープリウスに対する摂餌強度は仔魚が高密度に生息した水深15-30m層で高く(6.4-13.6個体/仔魚),表層(3.1-3.9個体/仔魚)や45m層(1.3-6.4個体/仔魚)では低かった。環境中のノープリウス密度は水深間で最大でも2.2倍であり,摂餌強度の差よりも充分小さかった。光量子束密度は水深の増加と共に低下し,水深10m前後で多くの仔魚で摂餌が制限されはじめる1.0μmol・m^<-2>・s^<-1>以下に低下し,水深45m前後で使用した計測機器の計測下限であるとともに仔魚の摂餌限界と考えられている0.1μmol・m^<-2>・s^<-1>に達した。一方,水温は表層に近いほど低かった。表層の低い摂餌強度は低水温によって摂餌行動が制限されたために生じ,45m層での低い摂餌強度は低照度によって餌を発見しにくかったために生じたものと推定された。
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Research Products
(1 results)