2009 Fiscal Year Annual Research Report
有害重金属を含む水産加工残滓の低コスト再資源化と環境汚染防除実証プラントの設計
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20580196
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
任 恵峰 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 准教授 (00345406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 哲仁 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (00173013)
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Keywords | 水産加工残滓 / 廃棄物再資源化 / 弱酸洗浄合液 / 有害物の安全廃棄処理 / 有機飼料・肥料 |
Research Abstract |
昨年度と同様にホタテガイ軟体部廃棄物全体(原料)を用い、以下の検討を行った。 1)高濃度Cdを含む季節の原料を試料とし、Cd濃度の周年変動に対応できる条件の検討:(1)試料に1/10量の水を加え、60℃で加熱処理した。(2)水を絞り取った残滓を更に出発原料の1/6量の水で2回洗浄した。(3)得られた固形分を2倍の1~2%酢酸(クエン酸)で2回ずつ洗浄した。その結果、(1)Cd濃度:未処理試料は7.27mg/kgで、弱酸洗浄物は0.27~0.8mg/kgであった。(2)洗浄合液量:出発原料の2.2~2.3倍であった。(3)弱酸洗浄乾燥物(水分5%):回収量は53~65kg/t原料、N%含有量は11.3~12.2%、Cd濃度は1.03~2.83ppm、Nl%当りのCd濃度は0.09~0.23ppmであった。この条件はどの季節の試料にも十分に対応できると思われる。 2)洗浄済物の乾燥処理条件の検討:洗浄済物を60℃で1~5時間送風乾燥した。その結果、60℃で5時間送風乾燥すると、水分が80%から10%以下になった。乾燥時間を長くするにつれ、PV・AVが上昇したが、PVの最大値は15meq/kg、AVの最大値は7mg/gで、何れも安全基準内であった。 3)洗浄合液からCdを分離する条件の検討:(1)1%有機キレート剤テルトール20と1、3、5、10%硫酸第二鉄を合わせて処理方法と、(2)キレート繊維を4、6%加え、5時間振盪処理方法の二つの方法で行った。その結果、(1)の場合では、99%以上のCdがスラッジに移行し、スラッジはそのまま最終処理場に埋設できる。ただ、洗浄合液中の窒素が5~30%程度損失と、水分75%以上のスラッジが11%~36%生じたという欠点が残されていた。(2)の場合では、94%以上のCdが除去され、窒素の損失がほとんどなく、処理済液の安全性も高い。しかし、キレート繊維自体の価額が高いという短所があった。ただ、使用済みキレート繊維は再生後、複数回再利用できることをすでに確認した。全体の処理コストを抑えるために、引き続きキレート繊維の使用条件を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)