2009 Fiscal Year Annual Research Report
養殖の多魚種化に対応する細菌性疾病の新たな予防方法の開発
Project/Area Number |
20580199
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
片桐 孝之 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学技術研究科, 助教 (50361811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
延東 真 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (80128355)
舞田 正志 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (60238839)
二見 邦彦 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助教 (00513459)
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Keywords | ガングリオシド / Streptococcus iniae / 細菌性疾病 |
Research Abstract |
近年の養殖対象魚種の増加により、魚病の予防も対策もできない魚種が多く存在することから、安全な細菌感染症の予防技術の開発を目的として、以下の研究を行った。 1.S.iniaeのGA1に対する結合能の検証 TLC-overlay assay法を用いて、標準品GA1をTLCプレートに展開したのち、S.iniaeの懸濁液に浸し、抗S.iniae抗体で検出した。その結果、GA1の位置に特異的なバンドが検出されたことから、S.iniaeとGA1と結合することが明らかとなった。 2.アユの脳内におけるGA1の存在の有無 S.iniaeがアユ脳内に特異的な病変をつくることから、GA1がアユの脳に存在するか検証した。脳からFolch分配法で総脂質を抽出したのち、さらにスフィンゴ糖脂質を抽出してTLCプレートに展開した。その結果、GA1の標準品と同位置にバンドが認められた。よって、GA1はアユ脳に存在することがわかった。 3.アユ脳内でのS.iniaeとGA1の分布の関連性 S.iniae感染魚の脳から準備した凍結切片を用いて、抗S.iniae抗体と抗GA1抗体を用いて、それぞれの分布の関連性を検討した。S.iniaeは、アユの脳膜に浸潤している炎症細胞付近に検出され、脳膜上及び脳膜外に分布していた。一方、GA1は、脳膜の内側に並んで分布している神経線維から検出され、脳の内部へ伸びる様に顆粒層の小神経細胞に分布していた。よって両者は異なる位置に存在していることが明らかとなった。
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