2008 Fiscal Year Annual Research Report
世界の海の牧草スケレトネマの種多様性と分類の再構築
Project/Area Number |
20580210
|
Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
山田 真知子 Fukuoka Women's University, 人間環境学部, 教授 (30438303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 繭子 福岡女子大学, 人間環境学部, 助手 (70336965)
|
Keywords | Skeletonema / 多様性 / DNA / 電子顕微鏡 / 分類 / 植物プランクトン / 珪藻類 / 海の牧草 |
Research Abstract |
海の牧草とよばれている有用な植物プランクトンSkeletonema属(珪藻)は、2005年および2007年にD.Sarnoraらによって、DNAと電子顕微鏡を用いた新しい同定法が提案された。本属は水産分野のみでなく環境分野や理科学分野においても重要種であるため、新しい同定法を用いて分類されたSkeletonema属各種の生理生態的研究が必要となった。しかし、Skeletonema属の季節的な出現状況など基礎的な研究報告は、イタリアのナポリ湾以外になされていない。そこで、富栄養化した海域の代表的な内湾として北九州市洞海湾を選定し、Skeletonema属の季節的消長について調査を行った。その結果、本湾にはSkeletonema属は周年にわたって出現し、夏季にピークをもつ一山型の増減を示し、ピーク時の数ヶ月間には赤潮を形成した。Skeletonema属としてはS.ardens,S.costatum,S.dornii,S.marinoi,S.japonicum,S.pseudocostatum,およびS.tropicumの7種の出現が確認され、ナポリ湾の4種と比較すれば多様度が高いことがわかった。また、各月には1種から4種のSkeletonemaが水温の変化に伴い遷移しながら出現することも確認された。なお、S.ardens,S.costatum,S.marinoi,およびS.pseudocostatumの4種は、我が国で初めての報告となる。 さらに今回用いた新しい分類法について検討を加えた結果、S.dohrniiとS.marinoiの2種は1種に統合される可能性があることが確認された。
|
Research Products
(3 results)