2010 Fiscal Year Annual Research Report
外来移入種サキグロタマツメタの移入・アサリ食害実態の把握と防除・駆除方法の検討
Project/Area Number |
20580211
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
大越 健嗣 東邦大学, 理学部, 教授 (60201969)
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Keywords | 外来移入種 / サキグロタマツメタ / アサリ / 食害 / 干潟 / 駆除 |
Research Abstract |
(1) サキグロ移入経路調査と新たな移入の阻止:国内有数のアサリ生産地でサキグロ食害の有無を調査した。輸入アサリや国内流通品について,サキグロの混入の有無を調査し、2010年現在でも外国からの移入が継続していることを明らかにした。 (2) アサリ食害調査と捕食行動の観察:サキグロの食害量、捕食速度を調べ、同じタマガイ科のツメタガイと比較検討した。季節により捕食量の相違、ツメタガイの方が成長が速いことがわかった。 (3) サキグロの生活史と生息環境調査、環境耐性、行動:サキグロの分布、生活史について調査を行なった。万石浦内のアサリ養殖場、未利用の干潟、放置漁場などにおいて場所別のサキグロの生息密度や卵塊を調査した。同所で底質の粒度組成他の環境調査を行い、サキグロ生息や卵塊形成に好適な底質環境を検討した。場所により卵塊の大きさが異なることが明らかとなった。水槽中での産卵の観察に成功し、さらに砂のかわりにガラスビーズにより卵塊を形成させることにも成功し、卵塊形成時には粒子の大きさの選別を行っていることがはじめて明らかになった。 (4) 国内各地のアサリ養殖場調査と産地判別技術の開発の検討:国内各地でサキグロの生息と食害の有無を調査した。新たに岡山県などで生息を確認した。未確認のネイティブな個体群の発見に努めたが、明らかに在来個体と判別できた個体はなく、ほとんど死滅した可能性が示唆された。 (5) 外国の干潟およびアサリ養殖場調査:韓国沿岸の干潟におけるサキグロの生息や食害の有無の調査を行った。北部のインチョンから、朝鮮半島最南部のワンドまでサキグロの生息を確認し、韓国の西海岸では北部から南部までサキグロが生息していることを明らかにした。 (6) 本研究の結果をまとめ、単行本として出版した。
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Research Products
(5 results)