2009 Fiscal Year Annual Research Report
ドコサヘキサエン酸代謝体の虚血性脳・眼疾患における栄養機能と展開
Project/Area Number |
20580222
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
西川 正純 Miyagi University, 食産業学部, 教授 (90404839)
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Keywords | 脂質 / 水産化学 / 神経科学 / 生理活性 / 栄養学 |
Research Abstract |
海産由来の重要な食品成分でありヒト脳内主要高度不飽和脂肪酸でもあるn-3系ドコサヘキサエン酸(DHA)は、生体内では細胞膜リン脂質に存在し膜機能の調節に重要な役割を果たしているが、虚血性脳(眼)疾患などの中枢神経疾患発症時には、速やかにリン脂質より切り出されて遊離の脂肪酸或いは様々な代謝体となり、新たな生理活性を発現すると考えられている。そこで本研究では、n-3系のDHAとその代謝体について、グルタミン酸をはじめとする各種神経伝達物質の受容体応答に対する影響を確認することによって、DHA並びにその代謝体の栄養学的な意義と応用について貢献するものである。 本年度は、DHAの生体内の代謝体であるヒドロキシドコサヘキサエン酸、ジヒドロキシドコサペンタエン酸について、血液、脳組織中の定量分析を目的に、内部標準物質となりうる標識体を作製し、感度及び化合物選択性に優れるLC/MS/MSシステムによる定量法の開発を検討した。内部標準物質として、^<18>O標識体の作製を試みたが、生物変換によるヒドロキシドコサヘキサエン酸、ジヒドロキシドコサペンタエン酸の生合成の収率が悪く、十分量の^<18>O標識体を作製並びに、定量分析法の確立に至らなかった。また、初代培養神経細胞に対する作用については、ラット脳海馬・眼網膜からの初代培養神経細胞法を確立でき、ヒドロキシドコサヘキサエン酸、ジヒドロキシドコサペンタエン酸の神経細胞保護作用が認められ、DHA代謝体の栄養学的な意義の一端が明らかとなった。最終年度はこれら化合物についての定量法を確立するとともに虚血性脳疾患予防作用を確認する。
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Research Products
(4 results)