2010 Fiscal Year Annual Research Report
乾岩海苔に存在する5'-AMPデアミナーゼの熱安定性に関する研究
Project/Area Number |
20580224
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
村上 昌弘 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70134517)
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Keywords | 岩海苔 / AMPデアミナーゼ / 酵素 / 5'-IMP / 5'-AMP / うま味 / 安定性 / タンパク質 |
Research Abstract |
【目的】乾岩海苔は独特な香りと風味を有する事で珍重されている。これまでの研究で乾岩海苔のうま味成分は、AMPデアミナーゼ(AMP dase)により生成する5'-イノシン酸(IMP)が主体であることが判明している。本研究では、IMPを生成するAMP daseの精製を最終目的とし、ゲルろ過およびイオン交換体を用いてAMPdaseの精製法の検討を行った。 【方法】乾岩海苔は、西伊豆産のものを使用した。粗酵素液を2hr透析後、70%硫安塩析に付し、遠心分離後、ゲルろ過および各種イオンクロマトグラフィーに供し、AMPdaseの単離・精製を試みた。まず、TOYOPEARL HW-50と20mmol/Lリン酸緩衝液(pH6.0)を用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行った。次いで、強アニオン交換体であるTOYOPEARL SuperQ-650と溶離液として50mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH8.3)を用いてAMPdaseの精製を検討した。次いで、強カチオン交換体であるTOYOPEARL SP-650と20mmol/Lリン酸緩衝液(pH6.0)を用いてAMPdaseの精製を検討した。 【結果】ゲルろ過カラムクロマトグラフィーにおいては、150min前後にAMPdaseの活性が明瞭に認められたが、海苔特有の色素であるフィコビリンの混入が認められた。強アニオン交換体を用いるイオンクロマトグラフィーでは、AMPdaseは、樹脂に吸着せず、フロントに酵素活性が認められ、フィコビリンと同時に溶出した。強カチオン交換体を用いるイオンクロマトグラフィーにおいては、70min前後の極めて小さなピークにAMPdase活性が、明瞭に認められ、またフィコビリンタンパク質は、フロントに溶出した。このことから、ゲルろ過クロマトグラフィーと強カチオン交換体を用いるイオンクロマトグラフィーの組合せが有効であると判断された。
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