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2010 Fiscal Year Annual Research Report

外国人研修生・実習生の受入動向から見る国内農業構造の将来展望の検討

Research Project

Project/Area Number 20580229
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

保木本 利行  山形大学, 農学部, 助教 (90261685)

Keywords外国人 / 研修制度 / 実習生 / 農業 / 入国管理法 / 法改正 / 労働力不足 / 労働基本法
Research Abstract

本研究では、国内農業における外国人労働者の雇用状況の分析という切り口から、歴史的転換点に立つ国内農業が、今後どのような変貌経緯を辿りうるか検討を続けてきた。
当初、作業仮説の一つとして、今時の農業粗生産額の減少という与件のもとで、農業者たちは、典型的な"固定費"ともいえる人件費の圧縮を意図していると考えていたが、調査結果からこの認識は誤りであることが確認できた。現場はけっして人件費の圧縮を意図しているのではなく、高賃金を払っても、信頼の置ける労働の質と量の確保を切実に求めていた。逆に言えば、今日の日本国内の労働市場内部では、農業という現場で雇用就業しようとする人材を見出し得なくなっている状況が、年々進行している状況にあった。
これは第二の作業仮説、"これまで小経営的規範意識を共有することで営まれてきた肉体的過重農業労働が、その枠組みを取り払われ、純粋にカネ勘定のみで取捨選択されるようになったとき、果たして国内の労働市場にその積極的な担い手を見い出し得るのか?"という論点への返答でもあった。すなわち、他の3K等と呼ばれる国内の低賃金過重労働の現場と同様、商業ベースでの国内農業は、機械化による代替と、外国人労働者への依存にしか打開策を見いだせない状況にますます歩みを進めていきつつあった。
さらに、本調査を通じて、日本農業を支え続けてきた、相互の立場を同一の基盤において認めあう家族的人間関係の規範性のなかに、"外国人"という種差を納得の足場として、雇用者と被雇用者のあいだの質的分離を前提として組み立てられる労働規範性が広がり、営農の倫理観を揺さぶりつつあることも確認できた。この最後の論点は、当初は強く意識しなかったものであるが、農という営みの根幹にかかわる問題として、その帰趨を注視すべきであると痛感させられた。

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Published: 2013-06-26  

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