2008 Fiscal Year Annual Research Report
フードシステムの技術革新と垂直的管理に関するサプライチェーンマネジメント分析
Project/Area Number |
20580232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中嶋 康博 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (50202213)
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Keywords | フードシステム / サプライチェーンマネジメント / GIS / 青果物 / サトヴキビ |
Research Abstract |
本年度は、(1)フードシステムを支える技術群の総括的なレビュー、(2)青果物生産・流通のサプライチェーンに沿ったインフラ・輸送効率分析、(3)加工用農産物フードシステムの操業度分析、を中心に研究を行った。 (2)のインフラ・輸送効率分析は、農場から小売店舗までの輸送の実態を、千葉県多古町でのトウモロコシおよびトマト、和歌山県紀の川市のみかんを対象に行った。これらの輸送経路を、圃場から集荷(産地)、集荷から配送センター(広域輸送)、配送センターから店舗(消費地)、のセグメントに分けてGPS機器等で経路を追跡した。収集したデータを用いてそれぞれの輸送セグメントで得られた時間・距離・時速を推計した。産地段階では、この時速をベンチマークにして、当該地域の全出荷者を地図上に特定し出荷量を勘案しながら総輸送時間を推計した。その結果、遠隔地(和歌山)でも、産地内集荷の輸送時間を累積すると広域輸送時間と同じぐらいかかっていることが明らかになった。近郊(千葉)ならば産地内輸送時間の比率はさらに大きくなっていた。この産地内輸送時間は、地形条件(平坦地か山間地か)と途中の集荷場の配置によって大きく異なることが定量的に明らかになった。 (3)の操業度分析では、粗糖生産を対象に農家生産行動と原材料加工メーカーの操業度との垂直的関係を検討するための予備的分析に着手した。サトウキビについては、沖縄県南大東島のサトウキビ生産の状況を5年間分の圃場別出荷データからGISデータベースに整理した。あわせて糖業メーカーの経営成果についてデータの収集と検討を行った。
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