2009 Fiscal Year Annual Research Report
分離不能な農家モデルの計量分析手法の拡張および応用
Project/Area Number |
20580234
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
園田 正 Nagoya University, 経済学研究科, 准教授 (60329844)
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Keywords | 農家モデル / 分離不能性 / 同時推定 / マイクロデータ / 中国の農家 |
Research Abstract |
昨年度以来,労働市場が不完全であるために分離不能となる農家モデルに関して,農家の生産編成と消費選択に関する決定を同時推定する方法を考察してきた。その過程では,ノースカロライナ州立大学(アメリカ),南洋技科大学(シンガポール)およびハイデラバード大学(インド)の研究者との交流を通じて,この方法の理論的,実証的な有効性について議論および考察を続けてきた。その結果,分離不能モデルにおける生産・消費面の同時推定の重要性について認識にかわりはないが,近年におけるマイクロデータを利用した農家モデルの実証分析の増加,およびそこで利用されるミクロ計量経済分析の手法の重要性をより強く認識するに至った。 このため,日本の稲作農家のデータを新たに収集するより,比較的入手が容易な中国の農家に関するマイクロデータ(2002年度のChinese Household Income Project)を整理し,そのデータを提案する方法の実証的有効性の確認に利用する方が有意義であると考え,これを実践した。このデータを利用した分析の第一歩として,中国農村における世帯主の労働供給行動と農業生産の効率性(利益率)の関係について実証分析をおこない,それらの間にトレードオフの関係を見出すとともに,農家モデルの分離不能性の観点からこの関係の解釈を試みた。また,同時推定法の考案においては,マイクロデータを利用した既存研究をサーベイし,モデルの特定化において家族関係(世帯主,配偶者と成人した子供の労働供給における関係)を考慮した推定法の改良を試みている。
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