2009 Fiscal Year Annual Research Report
米市場取引の衰退と契約取引の進展に関するゲーム理論的研究
Project/Area Number |
20580240
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 晋 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (40183925)
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Keywords | 市場取引 / 契約取引 / AHP分析 / ゲーム理論 |
Research Abstract |
平成20年度に行なった米価格形成センターの市場機能に関する実証的研究成果を、北海道、愛知、宮城、鳥取、熊本、宮崎の米産地において、産地出荷団体、取引業者に確認した。その上で、価格形成センターの課題を明らかにした。そこでは、多くの産地の出荷団体が価格形成センターでの取引数量を減少させており、安定的な取引と価格形成機能について、限界を露呈していることが明らかとなった。また、政策サイドでも米価格形成センターの役割について疑問が提示され、同センターのあり方について検討が加えられており、われわれの研究テーマの設定とアプローチの先見性が証明されたことを物語っている。 契約取引については、ゲーム理論による契約取引プロセスを実証的に明らかにするために、AHP手法を用いて分析を行なった。AHP手法については、エクセルを用いたプログラム開発を行ない、上記市場取引における調査地の取引主体に対してインタビューを行ない、データ収集を行なった。その結果、現段階においては、出荷団体を通した共同販売における契約取引の価格形成において、いまだ米価格形成センターの指標価格が反映されていることが明らかとなった。しかしながら、農家と実需者、流通業者、農家との直接取引においては、農家の生産コストを反映した価格設定も行なわれていることが明らかとなった。 契約取引における交渉過程をモデル化して、パワー関係を明らかにすることが残された課題である。
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Research Products
(2 results)