2010 Fiscal Year Annual Research Report
米市場取引の衰退と契約取引の進展に関するゲーム理論的研究
Project/Area Number |
20580240
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 晋 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (40183925)
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Keywords | 市場取引 / 契約取引 / AHP分析 / ゲーム理論 / 米価格形成センター / 市場支配力 / 取引交渉力 |
Research Abstract |
21年度までに米価格形成センターの機能低下と取扱量の減少について明らかにしてきた。22年度、米価格形成センターが閉鎖する事態となった。われわれの研究プロジェクト課題の一つである「米市場取引の衰退」が市場取引の場の閉鎖という形で実証されており、研究の先見性が明らかとなった。 次に、契約取引の進展に関するゲーム理論的研究においては、全農県本部(経済連)と卸売業者、卸売業者と量販店・外食産業との取引においては、従来米価格形成センターの取引価格が基準となっていたが、市場が閉鎖的になったことで、川下の商業資本の交渉力と価格形成力が一層強くなり、量販店や外食産業が主導的に価格形成を行っていることを明らかにした。 そのような中で、個々の農家と消費者との関係性を基礎とした直接取引が全体の米取引量の4分の1程度を占めていることに注目すると、農産物直売所の取引も含めて、農家の直接販売チャネルは、農家の主体的な価格形成が行われていることを観察し、このメカニズムについて、ゲーム理論を用いた取引モデルで明らかにした。
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Research Products
(2 results)