2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580242
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坪田 邦夫 Kyushu University, アジア総合政策センター, 教授 (40432885)
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Keywords | 農業政策分析 / アジア途上国 / 生産者支持推定量 / 農政改革 |
Research Abstract |
H20年度(初年度)は、本研究遂行のために必要な研究の枠組みの確定と、定量分析手段の改良とテスト、および主要国の農業農政の予備的調査を行った。予備調査の結果の一部は、年度末の日本農業経済学会で報告した。具体的な活動とその主な成果は次のとおり。 1.アジア生産性機構と合同での専門家会合(H20年7月):OECD事務局や主要国農政担当者・研究者等を交えて研究の枠組みや分析方法、最近のアジア諸国の農業政策動向の検討を行った。その結果、インド、パキスタン、タイ、マレーシア、インドネシア、台湾が研究協力者として加わることになった。また、約50のリンクされた表からなる農業生産者支持量(PSE)計測のための標準スプレッドシート・テンプレートを作成・提案した。 2.テンプレートのテストと改善:国別専門家と共同でテストランを試み、アジア途上国の実情に合う形に改善を図った。すなわち政策別支出細目の整理とグループ化、飼料の間接的影響(excess feed cost)割愛、派生的変量計算の自動化などを行った。また、牛乳や砂糖など生産と貿易段階で産物の形態が異なる品目の内外価格差計算にも応用ができるよう拡張を図った。 3.主要国農政動向の情報収集と分析:H20年9月にパキスタンとタイ、11月にインドネシアを訪問し、またH21年1月と3月にはインド、タイ、台湾の協力専門家を招いて、農業・農政の動向についてデータ・情報の収集を行うと共に、各国のPSE試算の問題個所の修正と簡易診断、試算数値結果の解釈の検討などを行った。 4.今年度の成果:ア)実用的な途上国向けPSE計算標準テンプレートがほぼ完成した、イ)アジア諸国の農政改革が想像以上に進んでいる、ウ)多くの国で何らかの価格支持政策が採用されているが保護の程度には国別品目別に大きなばらつきがある、エ)ASEAN諸国では為替レートの影響が大きく出る、などが判明した。
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Research Products
(1 results)