2009 Fiscal Year Annual Research Report
人口規模大幅縮小に対応する中山間地域営農・資源管理システムの再建とその条件の解明
Project/Area Number |
20580251
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柏 雅之 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (40204383)
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Keywords | 中山間地域 / 中山間地域等直接支払制度 / 条件不利地域政策 / グラウンドワーク・トラスト / 地域マネジメント主体 |
Research Abstract |
平成21年度は、中山間地域の高齢化に対抗して地域農業を守り、農業地域資源を保全管理するための旧村レベルにおけるストッパーあるいは防波堤としての役割を果たし得る地域経営主体に関する研究を行った。当該年度の本研究では、青森県の七戸町の旧天間林地区を対象に農地管理を行う地域経営主体の分析を行い、その意義と限界を解明した。さらに、富山県南砺市の旧上平と旧平、および旧利賀村を対象に活躍する住民出資の旧村レベルでの農業公社の農地管理機能に関する経営調査を行った。そこでは、中山間地域等直接支払制度における交付金を50%から100%という形で、こうした地域主体に集落協定にもとづいて集中させる仕組みで持ってその経営安定を図る仕組みが見られる。住民が創出し、住民農家が中山間地域等直接支払制度の支払金を自主的な取り決めで、自分たちの地域農業・資源管理の担い手に集中させることで、その経営持続性を確保しようとするシステムである。その経営的諸課題や地域農業・資源管理に関する意義と課題とを明らかにした。つぎに、新潟県上越市清里区における地域農業マネジメントシステムに関する研究を行った。櫛池地区農業協議会と有限会社グルーンファーム清里(市町村農業公社と表裏一体の地域経営法人)との連携、いかにして地区経営主体をインキュベーションしようとしているかを分析した。 最後にイギリスの地域経営主体に関する調査研究を、バーミンガム大学、ロンドン大学を中心に資料渉猟することでおこなってきた。そこでは農村社会的企業の意義と限界について分析を進める資料を得た。
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Research Products
(3 results)