2008 Fiscal Year Annual Research Report
食文化とそれを支える経済システムの現状と課題-国内外のハモ生産・流通・消費事例-
Project/Area Number |
20580254
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
津國 実 Kinki University, 農学部, 准教授 (40269783)
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Keywords | 水産物ハモ / (魚)食文化 / 経済システム / 日中韓 |
Research Abstract |
「ハモ料理」の食材ハモは国内産では質的・量的に需要に応えられず韓国や中国からの輸入ハモにより補われてきたことや、国際的な水産物需要増大でハモについても今後需給が逼迫してくる可能性も大きいことから、国内外のハモの生産・流通・消費の状況を把握し検証する必要がある。 本年度の計画では、国内の著名なハモ産地の一つ大分県中津市地域のハモ生産・流通の状況を把握するために、現地の生産者と流通業者に対し調査を行うとした。そして、8月25日、26日に大分県漁業協同組合中津支店、中津市地方卸売市場、大分市公設地方卸売市場などを訪問調査し、ハモの生産者、流通業者から聴き取りによる実態把握と資料による詳細データ入手を行うことができた。 また、12月下旬に中国ハモ産地の浙江省舟山市で生産状況調査を、上海市でハモの流通・消費状況調査を行う計画を立てたが、12月21日から7日間にわたって現地調査を予定通り行うことができた。その調査では、船山市海洋漁業局、浙江省海洋水産研究所などの行政機関や研究機関の協力によりハモの生産や生態に関するデータや文献を入手することができ、上海海洋大学(旧上海水産大学)の支援で卸・小売市場における詳細聴き取り調査が可能となりハモの流通・消費状況を把握できた。 その間の平成20年10月26日に日本流通学会第22回全国大会にて「水産物ハモの食文化と生産・流通の日中韓比較」を報告発表した。これは、平成19年9月に行った訪中調査とそれ以前の日本・韓国における調査結果を整理・比較・分析したものである。しかし、平成20年12月の今回訪中調査により、上記の日中韓比較報告では未解明であった多くの点や若干誤謬のあった点が把握できた。その点を、今後の研究報告の中に反映修正するとともに、現状把握を進め、真の課題を明らかにして行きたい。
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