2010 Fiscal Year Annual Research Report
国際貿易空間均衡モデルのマクロ貿易政策シミュレーションモデルへの一般化
Project/Area Number |
20580255
|
Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
川口 雅正 九州産業大学, 経済学部, 教授 (00003129)
|
Keywords | 経済政策 / 政策シミュレーション分析 / 国際貿易空間均衡モデル / 農業経済学 |
Research Abstract |
平成22年度は、「名目賃金率は一定である」という前提条件を始め幾つかの短期的経済分析の前提条件下で、産業連関分析の投入係数表と「各産業の労働の限界投入量は生産量の線形増加関数である」という前提条件より、1. 価格に対し線形の各産業の供給関数を導き、2. 投入係数表と線形供給関数より各産業の価格に対し線形の中間需要関数を導き、3. 投入係数表より求まる各産業の価格に対し線形の付加価値係数と線形供給関数より価格に対し二次形式のGDP関数を導き、4. 価格とGDPを変数とする各産業の国内最終需要関数を導き、5. 全産業で「供給量=中間需要量+国内最終需要量」という関係を満たす各産業の生産物価格を求める方法を明らかにし、最初に簡単な事例で貿易がない場合の各国の短期的国内経済均衡状態を明らかにした。次に一定の輸送費および関税制度と固定外国為替レートの下での、また各国の国際収支が一定の均衡条件に達するまでレートが調整される変動外国為替レートの下での、完全競争市場の下での「国際貿易空間均衡」を簡単な事例で明らかにした。これらの成果は本研究の中間報告書(下記の研究成果を参照)で詳しく公表済みである。 しかし産業内貿易を伴う不完全競争市場における貿易の理論的および実証的分析(関連文献の収集を含む)と、より現実的な事例での分析は、平成23年度の研究課題として残されている。従って平成23年度はこれらの残された課題についての研究を完成させ、その成果を取りまとめて公表できるよう努力したい。
|