2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境・経済・社会の統合的モデリングによる持続可能な農業システムの設計
Project/Area Number |
20580256
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
林 清忠 National Agricultural Research Organization, 中央農業総合研究センター・環境影響評価研究チーム, チーム長 (40355475)
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Keywords | LCA / 持続可能性 / 統合的モデリング / LCIデータ / 環境保全型農業 / バイオマス利用システム |
Research Abstract |
環境影響評価手法であるLCA(ライフサイクルアセスメント)を、環境・経済・社会の統合的モデリング手法として発展させるため、LCI(ライフサイクルインベントリ)データベースの作成を行うと同時に、影響評価の方法論を検討した。具体的には以下の通りである。 (1)LCIデータベースの精錬化と拡張 有機農業等の環境保全型農業とバイオマス利用システムのデータの収集と加工を行った。その際には、フォアグラウンドプロセスに加え、肥料、農薬、機械、施設の製造等に関するバックグラウンドプロセスを対象とした。これまでに作成した農業生産システムのLCIデータベースを精緻化するとともに、データベースの対象範囲を拡張し、エネルギーおよびマテリアル変換システムも対象とした。 (2)ライフサイクル環境影響評価モデルの拡張 近年の食料生産とエネルギー生産との競合関係を分析する上で重要になるのは、土地利用の影響評価である。そのため、LCAにおける土地利用の影響評価手法の批判的再検討を実施した。その結果、間接的結果をいかに評価するかという課題が重要であること、また、LCAにおけるその方法は、attributionalに対するconsequentialなLCIモデルの適用であることが示された。また、生態系サービス、生物多様性、土壌の質に関する影響領域の重要性を再確認した。 (3)環境と経済の統合的評価手法の再検討 環境と経済の関係を考慮するための統合化手法を再検討した。環境効率の妥当性を多目的計画の観点から再検討すると同時に、環境指標と経済指標の関係を整理し、トータルコスト評価の視点から検討を加えた。
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