2008 Fiscal Year Annual Research Report
棚田の文化的景観保全に資する畦畔法面の除草管理手法
Project/Area Number |
20580261
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
内川 義行 Shinshu University, 農学部, 助教 (20324238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 和弘 信州大学, 農学部, 教授 (40021092)
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Keywords | 地域環境 / 農村景観 |
Research Abstract |
棚田では全国初の名勝指定地である長野県千曲市姨捨地区を対象に、未整備の棚田における畦畔法面の除草管理作業の省力・軽減化方策を検討する。 2008(H20)年度は、(1)未整備の棚田畦畔法面の作業環境実態を把握した。名勝指定区域の144区画について畦畔法面を踏査し、その法面形状・法面長・勾配・構造(パイプ・側溝等)等についての一筆データを、GISを用いたデジタルデータベース化した。 この結果、1)法面形状は7つに分類され、約半数の45%は横断方向のみならず縦断面についても複雑な形状(例えば上段凸下段凹)を示すことが明らかとなった。また法面長は最大7.4m、約7割の区画で2mを超え、動力刈払機の使用を前提とすれば、法面中段に足場が必要と考えられた。さらに勾配は4割近い区画で40度を超えており、足場なしで、法面中段で作業するのは相当困難かつ危険な状況であった。 また、(2)作業者への現況作業についての聞き取り調査および、試験的に畦畔法面に設置した法先小段((1)土羽、(2)丸太)の利用に関するモニタリング調査を実施した。(1)は、動力刈払機の使用を前提とすると、丸太の場合よりキックバックの心配も少なく安全性が高い一方、設置時の潰れ地や工費(約2500円/mで丸太の倍程度)が問題とされた。また(2)は、先述したキックバックと維持管理(丸太の交換)が心配された。これらの情報を総合し、さらなる試験小段の設計と施工調査を実施したい。
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