Research Abstract |
淡塩水境界面の位置計測に対する時間領域反射法(TDR)の有効性を評価するために,48cm長プローブを用いて,その先端から境界面までの距離h_iの計測の可否と精度を調べた,実験では,約1.75GHz以下^<18)>の広帯域マイクロ波ステップパルスを発信できる1502C型ケーブルテスター(Tektronix)にロッドプローブを接続し,TDR波形の計測制御および記録にソフトウェアWinTDR^<19)>を用いた.海水の電気伝導度に相当するσ_<sw>=5.2Sm^<-1>のNaCl溶液を塩水の代替溶液とし,蒸留水(σ_<fw>=0.0005Sm^<-1>)およびσ_<fw>=0.013,0.1,0.2,0.3,0,4Sm^<-1>のNaCl溶液を水質の異なる淡水の代替溶液とした.実験における各々の溶液温度は約22℃であった.h_iを評価するために,本法では,プローブに与えたマイクロ波ステップパルスのTDR波形が,塩水によるエネルギー吸収によって急変する特徴を利用した.水質変化を想定し,淡水の電気伝導度σ_<fw>が異なる条件でh_i、を評価した結果,淡水中を伝播するパルスのエネルギー損失が大きい場合,すなわちσ_<fw>が高く,淡水層が厚い場合に属計測が困難になった,しかし,高σ_<fw>条件でも,淡水層が薄くなりエネルギー損失が抑制されると,h_iは計測可能となり,測定誤差は概ね1cm未満となった.また,たとえ境界面が変動しても,計測時に静的な水理条件であれば同等の精度でh_iを評価できることを確認した
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