2010 Fiscal Year Annual Research Report
変形性粒子を含む混合土の圧縮特性のモデル化に関する研究
Project/Area Number |
20580267
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木全 卓 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (60254439)
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Keywords | 変形性粒子 / 混合土 / 圧縮特性 |
Research Abstract |
本研究では,廃棄発泡プラスチックなどの変形性粒子を含む混合土の圧縮メカニズムを,その基本となる粒状体の観点から定量的に評価し,これを表現できる力学モデルを構築することを目的としている.研究の3年目となる本年度も引き続き混合土を模擬した積層体模型の一次元圧縮試験を行い,画像解析によって変形性粒子に起因する圧縮成分の定量的な評価を進め,圧縮のメカニズムに応じた各成分のモデル化を試みた.前年度までの研究で,変形性粒子を含む混合土の圧縮成分のうち,a:変形性粒子自身の体積圧縮とb:これに付随して生じる間隙体積の変化については幾何学的なモデルで表現できることがわかっているため,c:変形した粒子のさらなる相互移動による間隙体積の変化に着目して検討を進めた.その際,粒子の移動には土の内部摩擦角の影響も考慮する必要があるため,棒要素の表面をヤスリで削って粒子間に摩擦力が生じるようにした.そして,ランダムな骨格配置の積層体模型を用いた実験を繰り返し行った結果,全体の体積変化からaとbを差し引いた成分はほぼ圧縮応力に比例して発現していることが明らかになった.この成分には通常のダイレイタンシーによるものも含まれるため,これを差し引けば残された圧縮成分であるcが求められる.したがって,これまでの研究成果と合わせてると,変形性粒子に起因して付加されるすべての圧縮成分が理論的に算出できることになる.これを力学モデルとして体系的に完成させれば,様々な材料を用いた混合土の力学特性を理論的に評価できるようになり,本研究の成果は廃棄物のリサイクルなどにも大きく貢献できるものであると考えている.
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