2009 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動に伴う農地の土壌侵食危険度評価に関する研究
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20580271
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
塩野 隆弘 National Agricultural Research Organization, 農村工学研究所・企画管理部・業務推進室・企画チーム, チーム長 (30343982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 茂男 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農地・水資源部, 上席研究員 (00414425)
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Keywords | 統計的ダウンスケーリング / GCM / 土壌侵食 / 降雨分布 |
Research Abstract |
本研究は、土壌侵食の降雨因子に着目して地球温暖化の気候変動に伴う日本全国の農地の土壌侵食危険度を評価することを目的とした。本年度は、昨年度に引き続き、日本全国における将来の降雨による土壌侵食危険度指標を算出するため、将来の降雨分布推定に必要なGCM出力の統計的ダウンスケーリング手法を検討した。さらに、現況の降雨による土壌侵食危険度指標の算出を行った。 GCM出力の統計的ダウンスケーリング化については、気圧に関するGCMデータと昨年度収集して空間補正を行ったJRA-25データを重ね合わせて、最小二乗法により両者の類似度が最も高いJRA-25データを選定する手法を採用した。この手法を用いて、対象とするGCM出力データに最も類似度が高いJRA-25データを選定したところ、選定されたデータはGCM出力データに対応する時期と大幅に異なる時期のJRA-25データが選定されるケースがみられた。このことは、選定結果の妥当性が不十分であることを示している。よって、対象とするGCM出力データの時期を考慮して選定候補となるJRA-25データを限定し選定するなど、ダウンスケール手法の改良の必要性が示唆された。 現況の降雨による土壌侵食危険度指標の算出については、昨年度作成した土壌侵食危険度指標の計算プログラムを用いて、日本全国のアメダス観測地点のうち12年間(1995~2006年)のアメダスデータが整備されている観測点における土壌侵食危険度指標の算出を行った。
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