2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物工場における高品質安定生産のための培養液の構造制御法の確立
Project/Area Number |
20580277
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
石川 勝美 Kochi University, 教育研究部自然科学系, 教授 (20117419)
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Keywords | 変異荷電 / 抗酸化性 / 培養液 / 電気化学的反応 / 界面動電処理 |
Research Abstract |
熱刺激脱分極電流法(TSDC)による培養液の動的解析を行った。緩和ピークに及ぼすイオン(カチオン)および粘度の影饗について調べるため、LiOH, NaOH, KOH, Ca(OH)_2, Mg(OH)_2をイオン交換水(IEW)に添加,(濃度:2、4、110ppm)した揚合の緩和ピークを比較した。各イオンの濃度の増加に伴ってEC値は直線的に上昇した。また緩和ピークはイオン濃度の増加に伴い、高温側にシフトした。イオン別では、Ca^<2+>、K^+は高温側にシフトしたことから水の分子運動は拘束されることがわかった。一方、Mg^<2+>、Na^+はともに低温側にシフトし、脱分極電流もそれぞれ、3.05E-11A、2.63E-11AでありIEW区の5.82E-11Aに比べて小さかった。培養液イオンと粘度との関係では、緩和ピークはイオンと水分子間の相互作用の強さに応じた、粘度の大きさを反映するものと推定された。栽培試験装置は栽培ベット(幅23.75cm、長さ10m、勾配1/100)と貯留タンク(直径12cm、高さ80cm、約70l)間を培養液を液送ポンプによって循環させ、貯留タンク内の水位が一定に保たれるよう、補給タンク(300l)から培養液が自動的に補給されるシステムとした。培養液には大塚ハウスS1号および2号(大塚化学)のSC処方液を用い、水道水培養液をEC=2,4dSm^<-1>に調整した対照区と、変異荷電鉱物を媒体とする界面動電処理区のそれぞれの培養液の物理・化学的性状について調べた。ECとpHの推移を比較すると、コマツナ栽培開始8日後から対照区でpHが低下し始め、栽培17日目にはpHは4.9となった。一方、処理区ではpHの低下は抑えられ、一時、pH5.5まで低下したものの、その後上昇した。EC値は栽培期間中、対照区>処理区であった。
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