2010 Fiscal Year Annual Research Report
世界初の植物工場用の省エネ・水銀レス・低温・面光源の開発
Project/Area Number |
20580278
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
島崎 一彦 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (20196471)
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Keywords | 完全閉鎖型 / 落花・落蕾防止 / 補光 |
Research Abstract |
EFL光源の設計制作は高知県産業振興センターから独立した高知FEL株式会社で行い発光特性の評価や、安定性、発熱などの物性を評価した。光源の光強度を増加させた新光源を現在試作している。本年度は従来型から新たに逆ロート型のランプを試作し栽培実証試験に供した。園芸作物を秋季や冬季に施設で生産する場合、雨天や曇天が数日間継続した場合に、特に冬季や秋季栽培において光不足による種々の生理障害が生じるため、これらを防止するために補光が必要になる。本年度は切り花品目であるブルースター、トルコギキョウおよびトウガラシ、トマトの花房などの作物の光不足による萎れ、落花・落蕾の回避のための試験を行った。本試験では補光におけるランプの種類の違いによる効果を明らかにするために、完全閉鎖条件下において生理障害発生環境をつくり、これらの作物の生理障害発生の抑制効果について検証した。供試ランプは本年度試作したFELランプ(赤および白)の他比較のために、LEDランプ(赤、青、白)および白色蛍光灯を使用した。切り花、鉢花およびにおいては光不足条件で茎頂部分の萎れ・褐変・枯死が生じたが、この障害防止には赤色FELが最も効果的で次いで赤色LEDが効果的であることが示された。また、従来生産者が補光用として使用しているランプの一つである白色蛍光灯の生理障害防止に対してFELならびにLEDランプと比較して効果が低いことが示された。今年度の試験段階では植物工場における実証試験段階まで至らなかったが、試作FELを植物工場などの栽培に供するためには、ランプの防水性の確保、輝度の向上など必要であると考える。
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