2009 Fiscal Year Annual Research Report
リフラクションイメージングによる種子含有成分の粒内分布解析
Project/Area Number |
20580284
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小川 幸春 Chiba University, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (00373126)
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Keywords | 可視化 / 食品 / 組織構造 / 顕微鏡 / 種子 / 成分 / 粒内分布 / 組織化学染色 |
Research Abstract |
食用種子が含有する各種成分,特に油脂類の粒内分布状態を可視化,解析するため,光学的な屈折率の違いを利用して画像化する手法(リフラクションイメージング)の開発を目的とし,以下の項目を検討した. 1)モデル分散系サンプルによる屈折画像観察法の検討 一般に,水と油では光学的な屈折率が異なる.そのため油脂を含んだ透明に近い組織切片の屈折画像を観察すれば,油脂と油脂以外の成分の分布状態を可視化できる可能性がある.そこで,モデル実験としてO/WおよびW/O型エマルションを作製し,微分干渉顕微鏡でエマルションの粒径分布や形状を観察した.その結果,O/W型エマルションでは連続相と油滴の間に輝度差を確認することができた.これにより,微分干渉観察による種子中の油脂分布可視化の可能性を確認することができた. 2)種子切片上に分布する油脂の屈折画像観察による可視化法検討 ノルマルスキ型微分干渉フィルタによる偏光検鏡法を適用して,ゴマ種子,ダイズ種子中の油脂分布可視化を検討した.その結果,切片中には顆粒状の凹凸が多数確認された.通常の手法であるナイルブルー試薬での組織化学染色によって油脂を染色処理したところ,青く染色された顆粒状の凸凹が多数確認された.それらはオイルボディとして種子中に含有することが既知であり,かつ偏光観察の結果と同様の状態であった.このことから,偏光によって油脂の分布状態を観察可能であることが示されたものと考えられた.
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