2010 Fiscal Year Annual Research Report
リフラクションイメージングによる種子含有成分の粒内分布解析
Project/Area Number |
20580284
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小川 幸春 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (00373126)
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Keywords | 可視化 / 食品 / 組織構造 / 顕微鏡 / 種子 / 成分 / 粒内分布 / 組織化学染色 |
Research Abstract |
食用種子が含有する各種成分,特に油脂類の粒内分布状態を可視化,解析するため,光学的な屈折率の違いを利用して画像化する手法(リフラクションイメージング)の開発を目的とし,以下の項目を検討した 1)屈折画像観察法による油脂および水の観察 前年度までの結果に基づいて屈折率の異なる油脂および水をエマルジョンとして観察したところ,エマルジョンの曲端で,透過光強度差を検出することができた,しかし,水と油脂が隣接するよう単一のプレパラート上に設置した場合は適切な透過光強度差を検出することができなかった.前年度,種子切片上でオイルボディ様の構造体の確認を報告したが,より厳密な解析の結果,アーティファクトの可能性を否定できなかった.このことから,種子切片上の油脂分布を観察するための手法として通常の染色法を適用して実験を進めることとした 2)ゴマ種子切片上に分布する油脂分布の可視化 屈折率の違いによる偏光検鏡法で可視化の可能性は示唆されたものの現有の機器では油脂の屈折率範囲を観察できないため,通常の染色法を適用して顕微鏡観察を行った.ゴマ種子は非包埋のままビブラトームによって切片化した.その結果,ゴマ種子の細胞内部に分布するオイルボディが細胞壁に囲まれて分布している状態を確認することができたため,続けて加熱による影響を検討した 3)ゴマ種子の加熱による油脂分布変化の観察 加熱したゴマ種子の非包埋切片を染色して顕微鏡観察した,観察にはコントラストを高めることを目的に微分干渉法を適用した.その結果,粒内の細胞壁が加熱によって構造的に変化している状態が観察された.また,油脂類の分布についても細胞壁の変化に伴って粒内に浸潤するように分布している様子が確認された 今後,加熱時間の経過に伴う構造変化と油脂分布の変化の関係を解析する必要があると考えられる
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