2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580289
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
本江 昭夫 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 畜産学部, 教授 (30091549)
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Keywords | ウシ / ウマ / オーチャードグラス / 切歯 / 選択採食 / せん断強度 / 引張り強度 / 曲げ強度 |
Research Abstract |
家畜の採食行動と植物の物理的強度との関係を明らかにするために、上顎の切歯が退化してないウシと、上下の切歯を持っているウマを用いて実験を行った。採食実験では、オーチャードグラス葉身を1つのロードセルに10, 20, 30, 40, 50枚取り付け、それらを家畜に採食させて、その時に使用した力を0.006秒間隔で記録した。採食試験とは別に、葉身の引張り強度、せん断強度、曲げ強度を測定した。さらに、葉身の断面図を実体顕微鏡とデジタルカメラで記録し、断面積を計測した。 大きい曲げ強度を持っていた葉身は、せん断強度と引張り強度も大きかった。せん断強度と曲げ強度については葉身の断面の形状が大きく影響していた。また、せん断強度より引張り強度の方が大きな値を示したが、これはイネ科の葉身では繊椎が葉身の縦方向と平行に走っているためであろう。 ウシとウマが1バイトあたりに使ったバイト強度と牧草の各種物理的強度を比較すると、せん断強度の結果から計算した値に近くなっていた。このことから、ウシ、ウマの採食は主にせん断によって植物を破断しているものと推察された。採食試験の結果から採食効率を求めると、葉密度が40枚と50枚では、ウマに比ベウシの採食効率が大きくなった。ウシは上顎の切歯を退化させ、その代わりに歯板を持つことによって、特に高密度の牧草を採食する際にウマに比べ力を効率的に使用できるものと推察された。上顎の歯板がクッションの働きをすると仮定すると、1バイトの時間はウマよりもウシの方が長くなると予想されたが、ウシとウマの間に有意な差は見られなかった。
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