2010 Fiscal Year Annual Research Report
栄養処理による食肉呈味向上モデル家畜の呈味制御:遺伝子発現を用いた調節機構の研究
Project/Area Number |
20580292
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤村 忍 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20282999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 基二 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90126029)
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Keywords | 食肉 / 高品質化 / 呈味物質 / 代謝制御 / 遺伝子 / アミノ酸 / 筋肉 / 飼料 |
Research Abstract |
食肉の高品質化の中で呈味の向上に対する期待は大きいが、有効な情報は極めて不足している。本研究は、食肉高品質化のため、食肉呈味向上モデル家畜のグルタミン酸(Glu)及び関連アミノ酸の代謝メカニズムを解析し、次いでメカニズムを考慮した食餌栄養調節による高品質食肉の作出を目的とする。飼料のリジン(Lys)、分枝アミノ酸(BCAA)及びタンパク質(CP)量の5または10日間の調節により、筋肉遊離Glu量を増加させたモデルブロイラーのGlu合成・分解酵素の遺伝子発現及び活性等の解析から筋肉Glu量の調節メカニズムを検討した。その結果、飼料のLys調節により遊離Gluが増加するとともに、サッカロピン系Lys異化が生じ、またピペコリン酸系及びカダベリンを経ての異化が同時に亢進する可能性を初めて見出した。次いで筋肉、肝臓、腎臓及び小腸を比較した結果、Lysによる遊離Glu量の増加は筋肉で特異的に見られ、他組織では一定ないし減少を示した。サッカロピン系のLysine α-ketoglutarate reductase、Saccharopine Dehydrogenase mRNA発現はいずれの組織でも見られ、また高Lys条件で増加した。メタボローム解析により、筋肉Glu増加を示す飼料BCAAについては、Lysと異なり糖代謝への影響が推察され、両アミノ酸の作用機序は大きく異なると推察された。これらの成果の一部は、Animal Science Journal誌に掲載されたほか、56^<th>International Congress of Meat Science and Technology等において計3件の学会発表を行った。また肉質改良に関する研究会にて招待講演を行った。
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