2008 Fiscal Year Annual Research Report
食餌内容による消化管運動制御及び摂食行動制御の可能性
Project/Area Number |
20580293
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
平松 浩二 Shinshu University, 農学部, 准教授 (80238386)
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Keywords | 摂食行動 / 視床下部 / 膵島 / 神経ペプチドY / ソマトスタチン / PACAP / 神経分布 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
食餌内容が摂食行動制御に与える影響を明らかにするために、まず通常の状態における摂食制御機構を明らかにすることにした.摂食中枢が存在する視床下部下核及び漏斗核の神経ペプチドY(NPY)含有ニューロンは、サポリン結合NPYを用いた実験より室房核及び室周囲核の小型ニューロンと視床下部外側核の大型ニューロンに投射することが分かった.また、ソマトスタチンがNPYと共に摂食亢進作用をニワトリでは示すことが明らかになり、二重免疫組織化学法により室周囲核でNPYニューロンと接触することが分かった.これらの結果は、NPY含有ニューロンが室周囲核のソマトスタチン含有ニューロンに投射し、このものを介して摂食亢進作用を示すことを示唆する.一方、摂食行動制御にも関わる膵島のインスリン分泌は、下垂体アデニルシクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)により影響されることが示唆された.つまり、ニワトリのB島には豊富なPACAP含有神経が分布しており、インスリン産生細胞(B細胞)に接する像が観察された.この結果は、末梢神経が内分泌組織の分泌制御を介して摂食行動に影響することを示唆する. 食餌中のタンパク質含量を変化させると、回腸のグルカゴン様ペプチドI(GLP1)及びニューロテンシン(NT)産生内分泌細胞が影響を受けることが明らかになった.つまり、食餌のタンパク質含量を18%, 9%, 4.5%および0%と下げるにつれて、これらの内分泌細胞の分泌密度は低下した.この結果は、NT産生で顕著であった(投稿準備中).なお、この際の視床下部におけるNPY含有ニューロンの変化については現在解析中である.
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Research Products
(6 results)