2010 Fiscal Year Annual Research Report
外来牧草の雑草化防止に及ぼす草地の種多様性の影響に関する研究
Project/Area Number |
20580297
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 教授 (60228244)
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Keywords | 外来牧草 / 種多様性 / 雑草化 / 放牧圧 / 密度 / 土壌硬度 / 土壌養分 / ポット栽培 |
Research Abstract |
本研究は「外来牧草の雑草化防止に及ぼす草地の種多様性の影響」を、野外調査と野外実験によって解明することにより、生物多様性の重要な要素である種多様性が持つ頑強性の程度を評価する試みである。 1、都井岬における外来牧草の雑草化の進行状況の把握:宮崎県串間市都井岬の岬馬放牧地(国指定天然記念物)では外来牧草の雑草化が進行中であるので、調査を継続したところ、小松ヶ丘では雑草化が進行していたが扇山では進行していなかった。 2.外来牧草の雑草化の要因解析:小松ヶ丘地区での外来牧草の雑草化は放牧圧の増加にともなう放牧草地の種多様性の減少と平行して生じていた。そこで、放牧圧や種多様性の高さと外来牧草の雑草化に関する要因解析実験を行った。 土壌養分の影響:植生調査を行った十数カ所において土壌分析を行った結果、土壌中の窒素濃度が高い場所ほど外来牧草の雑草化が進行していた。 土壌硬度の影響:ポット栽培によって土壌硬度の違いとシバの有無が外来牧草の増加に及ぼす影響を検討した結果、土壌硬度ではなくシバの有無の影響が大きいことが明らかとなった。 在来種の密度と種多様性の影響:ポット栽培によって在来種の密度と種多様性が外来牧草の増加に及ぼす影響を検討した結果、在来種の密度と種多様性が高い場合ほど外来種の増加を防ぐことが示された。 小松ヶ丘における高い放牧圧による在来植物の減少と糞尿量増加の両方が外来牧草の増加をもたらしていたと考えられ、在来種の密度と種多様性が高い場合ほど外来種の増加を防ぐことが明らかとなった。
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