2008 Fiscal Year Annual Research Report
豚精巣で発現するリラキシン様蛋白の構造と受容体LGR8を介した造精機能制御の解明
Project/Area Number |
20580308
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高坂 哲也 Shizuoka University, 農学部, 教授 (10186611)
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Keywords | リラキシン / 精巣 / 局在 / 構造解析 / プロセシング / 受容体 / 生理活性 |
Research Abstract |
本年度は、リラキシン(RXN)様蛋白の構造面からの研究を実施し、以下の知見を得た。 1.豚精巣で発現するRXN様蛋白の産生細胞の同定 RXN様蛋白のmRNAとそのタンパクは、in situハイブリと免疫染色により、テストステロン分泌源として知られるライディッヒ細胞で発現していることを突き止めた。 2.ブタ精巣で発現するRXN様蛋白の単離と構造解析 ブタ精巣抽出液のゲル濾過、イオン交換クロマト及び逆相HPLCにより、RXN様蛋白の単離に成功した。この精製物はウエスタンブロットで約12kDaの単一バンドであった。MS/MS解析の結果、本蛋白はA-B-C鎖ドメインからなるヘテロトリマー構造をとり、C鎖ドメインが蛋白分解的に切断されていない前駆体(プロ)フォームとして存在することを明らかにした。 3.ブタ精巣におけるプロセッシング酵素の発現状況とプロセシングの有無 プロセシング酵素(PC1/3)の遺伝子発現状況を各時期の精巣でRT-PCR法により調べた結果、何れの精巣においてもPC1/3の発現が全く検出できないことが判明し、構造解析の結果を強く示唆した。 4.ブタ精巣より単離したRXN様蛋白の生理活性の解析:受容体LGR8を遺伝子導入したHEK-293細胞の構築とそれを用いた検討 精巣よりRXN様蛋白の受容体LGR8の全塩基長cDNAをPCRクローニングした後、哺乳動物の発現ベクターを構築してHEK-293細胞に遺伝子導入し、細胞assay系を構築した。本細胞系を用いRXN様蛋白の反応性を調べた結果、RXN様蛋白の濃度依存的(ED_<50>が10 nM)に、cAMP産生が増加し、単離したRXN様蛋白は十分に高い生理活性を有していることが証明できた。
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