2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580313
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
久保田 浩司 Kitasato University, 獣医学部, 准教授 (80263094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内 一恵 北里大学, 獣医学部, 助教 (90509184)
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Keywords | 精原幹細胞 / 精子形成 / 増殖因子 |
Research Abstract |
幹細胞因子(SCF、またはKITリガント)の受容体であるKit遺伝子に突然変異があり精子形成不全の表現型を示すW^v/W^vマウスの精巣に精原幹細胞と同一の細胞表面形質を持つ未分化精原細胞(CD90^+CD49f^+CD51^<low/->)が存在することをフローサイトメトリーにて確認した。このW^v/W^vマウスの精巣細胞を精原幹細胞の培養条件下で培養を試みた結果、培養開始後、数日で精原幹細胞特有のコロニーが観察された。コロニー形成細胞はマウス精原幹細胞の増殖因子であるグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)依存性に増殖を続けた。このGDNF依存性に持続的に増殖を続ける細胞は、野生型精原幹細胞と同様にCD90^+CD49f^+CD51^<low/->の形質を維持していた。以上の結果は、W^v/W^vマウスの精巣には精原幹細胞が存在し、それらは野生型精原幹細胞と同様にGDNFによって自己複製することを示している。また同時に、マウス精原幹細胞の自己複製には幹細胞因子が必要でないことを示している。 精子形成不全マウスの精原幹細胞を培養系にて長期間増殖させることが可能になったことは、精原幹細胞から精子細胞への分化過程を解明するための実験系の確立のために極めて有用な幹細胞株を樹立できたという点で重要である。W^v/W^v精原幹細胞の精子形成能を回復させる実験系の確立のため、低酸素培養等の幹細胞の培養条件の最適化の検討を行うとともに、W^v/W^v精原幹細胞への遺伝子導入条件の検討を行っている。
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